仕事を終えて、家に帰る。
夕食をとって、少し休んで、気づけばもう21時。
「今日も税理士試験の勉強をしないと」
そう思ってテキストを開いたものの、一日仕事をしたあとの頭は、なかなか勉強モードに切り替わらない。
神戸で働きながら税理士を目指している人の中には、そんな毎日を過ごしている方もいるのではないでしょうか。
税理士試験は、一度にすべてを終わらせる試験ではありません。仕事を続けながら、何年かけて一科目ずつ積み上げていくこともできます。
だからこそ大切なのは、一時的に頑張れる勉強法よりも、仕事のある生活の中に、勉強を続けられる仕組みをつくることです。
この記事では、2027年以降の税理士試験を目指す社会人に向けて、試験制度の基本から、仕事との両立、勉強時間の考え方、そして「どこで勉強するか」まで考えていきます。
そもそも税理士試験は、働きながら目指せる試験なのか
最初に知っておきたいのは、税理士試験には「科目合格制」が採用されていることです。
試験科目は、会計学に属する「簿記論」「財務諸表論」の2科目と、税法に属する科目のうち選択する3科目。税法3科目には、所得税法または法人税法のいずれかを含める必要があります。
ただし、5科目を一度に受験する必要はありません。
1科目ずつ受験することも可能です。
つまり、仕事を続けながら今年はこの科目、次はこの科目、と積み重ねていくことができる試験です。
また、現在は簿記論・財務諸表論について受験資格の制限がなく、誰でも受験できます。一方、税法科目については学識・資格・職歴などによる受験資格があります。
受験資格や科目選択は個人によって異なるため、実際に受験する際は必ず国税庁の最新の受験案内を確認してください。
2026年度の税理士試験は8月に実施された
2026年度(第76回)税理士試験は、8月4日(火)から8月6日(木)に実施されました。
簿記論、財務諸表論、消費税法または酒税法、法人税法、相続税法、所得税法、国税徴収法、固定資産税、住民税または事業税が3日間に分けて実施され、各科目の試験時間は2時間です。
この記事を書いているのは2026年9月。
今年の本試験が終わったばかりであり、同時に次の試験に向けた1年が始まった時期でもあります。
「税理士を目指してみようかな」と考えているなら、試験直前になってから生活を変えるのではなく、今から自分に合った勉強のペースをつくっていくという考え方もあります。
働きながらの税理士試験。難しいのは「勉強すること」だけではない
仕事をしながら資格を目指すとき、「毎日2時間勉強しよう」「休日は5時間やろう」といった目標を立てたくなります。
もちろん、勉強時間は必要です。
でも、社会人の勉強で難しいのは、時間だけではありません。
仕事から勉強へ、頭を切り替えること。
こちらのほうが大変な日もあります。
朝から仕事をして、メールや電話に対応して、上司や同僚と話し、締切に追われる。
残業になる日もある。
仕事が終わった時点で、身体だけではなく頭も疲れています。
そこから帰宅して、食事をして、お風呂に入って、ようやく自分の時間。
ソファに座ってしまったあと、もう一度立ち上がって税理士試験のテキストを開く。
それを毎日繰り返すのは、簡単ではありません。
「家に帰ってから勉強する」をやめてみる
そこで一つ考えたいのが、帰宅してから勉強を始めることを前提にしないという方法です。
たとえば、
仕事 → 勉強する場所 → 帰宅
という順番にする。
18時に仕事が終わったなら、18時30分から20時30分まで勉強して、それから帰る。
忙しかった日は1時間だけ。
かなり疲れている日は、そのまま帰る。
毎日同じ量をこなすのではなく、仕事のある生活の中に勉強する場所と時間を先に組み込んでしまうという考え方です。
税理士試験の勉強は「読む」だけでは終わらない
税理士試験の勉強場所を考えるとき、もう一つ重要なことがあります。
税理士試験は、テキストを静かに読んでいるだけで完結する勉強ではないということです。
たとえば簿記論について、国税庁は出題範囲に「複式簿記の原理、その記帳・計算及び帳簿組織」などを挙げています。
実際の学習でも、講義を見る、テキストを読むだけではなく、問題を解き、数字を書き、計算し、間違えた問題をもう一度解くという時間が必要になります。
税法科目では、条文や理論を理解し、覚え、答案として書けるようにしていく学習もあります。
つまり、税理士試験の勉強には、
- 読む
- 考える
- 書く
- 計算する
- 覚える
- 問題を繰り返し解く
といった複数の作業があります。
だからこそ、「静かな場所ならどこでもいい」とは限りません。
税理士受験生にとって意外と重要な「電卓を使える場所」
計算問題を解く日には、電卓を使います。
これは税理士試験を勉強する人にとって当たり前のことですが、「どこで勉強するか」を考えると意外と大きな問題になります。
図書館のような静かな場所では、電卓のキーを打つ音が気になることがあります。
カフェなら電卓は使いやすくても、周囲の会話や店内の音が気になることがある。長時間利用にも気を遣います。
逆に、静音性だけを重視した自習スペースでは、電卓を連続して使うことに遠慮してしまう場合があります。
税理士試験を目指す人に必要なのは、単なる「静かな机」ではありません。
その日の勉強内容に合わせて、きちんと手を動かせる机。
これも勉強環境を選ぶ基準の一つです。
毎日100点の勉強をしようとしない
働きながら長期間勉強するなら、毎日同じコンディションで勉強できるとは考えないほうが現実的です。
仕事が早く終わって頭も動く日。
残業で疲れた日。
休日でまとまった時間が取れる日。
予定があってほとんど時間を取れない日。
全部あります。
そこで、「毎日○時間」と決めるだけではなく、その日の余力に合わせて勉強内容を変える方法があります。
集中できる日
計算問題や総合問題など、頭と手をしっかり使う学習を進める。
仕事で疲れた日
新しい範囲を無理に進めず、以前間違えた問題の確認や理論の復習などに切り替える。
休日
まとまった時間が必要な問題演習や、平日に進められなかった範囲を進める。
そして、本当に疲れている日は休む。
1日休んだからといって、それまで積み上げた勉強がなくなるわけではありません。
大切なのは、1日の勉強時間だけではなく、試験まで勉強を続けられる生活をつくることです。
神戸で働きながら勉強するなら「生活動線」で場所を考える
勉強場所を選ぶとき、設備と同じくらい重要なのが通いやすさです。
どれだけ良い環境でも、仕事帰りに大きく遠回りしなければならない場所では、忙しくなったときに通わなくなる可能性があります。
そこで考えたいのが、
職場 → 勉強場所 → 自宅
という動線です。
神戸市内で働いているなら、毎日の通勤経路の途中に勉強場所を置けないか考えてみる。
「勉強するために出かける」のではなく、仕事から帰る途中に勉強する。
この違いは、1日だけなら小さくても、数か月、1年と続けると大きくなります。
阪急六甲で税理士試験を勉強するという選択肢
BE-CON六甲本店は、阪急六甲駅から徒歩1分の会員制自習室・クワイエットコワーキングスペースです。
年中無休で9:00〜23:00まで営業しているため、休日の勉強だけでなく、仕事帰りの学習にも利用できます。
そしてBE-CONには、勉強内容に合わせて使い分けられる環境があります。
理論を読み込みたい日は、完全静音のサイレントゾーン
BE-CONのサイレントゾーンは、終日完全静音です。
私語、通話、WEB会議は禁止。
理論を読み込む日や、静かな環境で集中して考えたい日に向いています。
計算問題を解きたい日は、ワークゾーン
一方、ワークゾーンでは、周囲に配慮しながら電卓を使ったり、筆記学習をしたりできます。
簿記論などの計算問題に取り組む日は、電卓のキーを打つ音を過度に気にしながら勉強する必要はありません。
さらに半個室席では、高さのあるパーテーションで視線が遮られています。
机に問題集とノートを広げ、電卓を置いて、しっかり問題を解く。
「今日は計算問題をやる日」と決めて、手を動かすための勉強場所として使うことができます。
たとえば、こんな1週間でもいい
税理士試験を目指すからといって、毎晩遅くまで勉強しなければならないわけではありません。
たとえば、平日に働いている人なら、こんな組み方もできます。
| 曜日 | 勉強の考え方 |
|---|---|
| 月 | 仕事帰りに1時間。前週の復習 |
| 火 | 仕事帰りに2時間。計算問題 |
| 水 | 休む・自宅で軽く復習 |
| 木 | 仕事帰りに1〜2時間。理論学習 |
| 金 | 仕事の疲れに合わせて判断 |
| 土 | まとまった時間で問題演習 |
| 日 | 翌週の復習・進捗確認 |
これはあくまで一例です。
残業の多さ、休日、家庭の予定、受験科目、現在の理解度によって最適な形は変わります。
重要なのは「理想の一週間」を作ることではありません。
崩れても、また戻ってこられる一週間を作ること。
長期間の資格勉強では、そのほうが現実的です。
2027年8月を目指す。働く社会人の12か月学習ロードマップ
では、2026年9月から勉強を始めるとしたら、翌年の本試験までをどのように考えればいいのでしょうか。
ここでは、仕事を続けながら2027年度の税理士試験を目指す人を想定して、約1年間の流れを考えてみます。
ただし、2027年度(第77回)税理士試験の正式な試験日程は、この記事を公開した2026年9月時点ではまだ発表されていません。
2026年度(第76回)は8月4日から6日に実施されました。以下では、2027年度も8月に本試験が実施されることを想定して逆算しています。正式な日程が発表されたら、必ず国税庁の最新情報を確認してください。
そして、ここで紹介するのは「この通りに勉強すれば合格できる」というスケジュールではありません。
受験科目、これまでの簿記経験、予備校・通信講座のカリキュラム、残業時間、家庭の事情によって必要な学習量は大きく変わります。
大切なのは、8月になってから頑張るのではなく、9月から8月までを一つの長いプロジェクトとして考えることです。
9〜10月|まず「勉強する生活」をつくる
最初の2か月でいちばん大切なのは、いきなり長時間勉強することではありません。
仕事をしながら、どこで、いつ勉強するのかを決めること。
仕事帰りに勉強するのか。休日にまとめて進めるのか。自宅と自習室をどう使い分けるのか。
たとえば平日は仕事帰りに週2〜3回、休日にまとまった時間を取るなど、自分の生活で無理なく続けられる形を探します。
この時期は、予定通り勉強できなかった日があっても構いません。
むしろ、「残業した日は無理だった」「金曜日は疲れて集中できない」「土曜の午前中は意外と進む」といった自分の生活の癖を知ることに価値があります。
最初から完璧な勉強計画をつくるのではなく、続けられる勉強生活を実験する2か月です。
11〜12月|基礎を積み上げる。分からないまま先へ急がない
生活の中に勉強時間が入り始めたら、少しずつ学習のリズムを安定させていきます。
この段階では、「何時間勉強したか」だけではなく、理解できることが増えているかを意識したいところです。
講義を受けた。
テキストを読んだ。
それだけで終わらせず、実際に問題を解いてみる。
間違えたら、なぜ間違えたのかを確認する。
特に計算科目では、理解したつもりでも、自分で電卓を叩いて解いてみると手が止まることがあります。
「分かった」と「自分で解ける」の間を埋めていく。
年末までに、この習慣をつくっておくことが後半の学習につながります。
1〜2月|仕事が忙しくても「ゼロの週」を増やさない
年が明けると、仕事の繁忙期と重なる人もいるでしょう。
ここで注意したいのが、「今週は忙しいから勉強できない」と完全に切ってしまうことです。
2時間取れないなら30分。
計算問題を一題解く余力がなければ、以前間違えた箇所だけ確認する。
理論を新しく覚える余裕がなければ、すでに学習した部分を見直す。
もちろん、本当に疲れている日は休んで構いません。
大切なのは、毎日勉強することではなく、忙しい時期が終わったときに戻ってこられる状態を保つことです。
3〜4月|「勉強した」から「問題を解ける」へ
春に入ったら、それまでインプットしてきた知識を、問題を解く力へ変えていくことを意識します。
ここからは、問題演習の比重も少しずつ高くなっていきます。
時間を測って解いてみる。
間違えた問題に印をつける。
数日後にもう一度解く。
正解した問題でも、時間がかかりすぎていなかったかを見る。
税理士試験は、各科目の本試験が2時間です。
知識があることと、限られた時間の中で問題に向き合えることは同じではありません。
まだ本試験と同じ形で解けなくても構いませんが、「時間」という要素を少しずつ学習に入れ始める時期です。
5〜6月|本試験を意識した演習へ。弱点を見える状態にする
本試験まで数か月になったら、「勉強していないところ」よりも「勉強したのに解けないところ」を見つけることが重要になってきます。
問題演習や模擬試験で点数が取れないと、不安になるかもしれません。
でも、この時期に間違えること自体が問題なのではありません。
むしろ本試験前に、
- 理解が曖昧な論点
- 繰り返し間違える計算
- 時間を使いすぎる問題
- 覚えきれていない理論
が見つかったと考えることもできます。
弱点を隠すのではなく、見える状態にする。
そして、一つずつ潰していく。
この時期になると、仕事帰りの1〜2時間だけでなく、休日にまとまった演習時間を確保する意味も大きくなってきます。
7月|新しいことを増やすより、「本番で使えるもの」を固める
本試験が近づく7月。
不安になると、新しい問題集や教材に手を出したくなることがあります。
しかし、限られた時間で働きながら勉強している人ほど、これまで使ってきた教材、間違えた問題、覚えてきた理論をもう一度確認することも重要です。
できないことを無限に探すのではなく、本試験で使える知識を増やす。
計算問題なら、時間を測って電卓を使いながら解く。
理論なら、読んで分かるだけではなく、自分で思い出せるか、書けるかを確認する。
そして睡眠や体調を崩してまで勉強時間を増やさない。
試験直前だからこそ、勉強時間だけではなく、本番に向けてコンディションを整えることも試験対策の一部です。
8月|「もっと勉強できたはず」ではなく、持っている力を出す
本試験直前になると、「もっと早く始めればよかった」「あの時もっと勉強していれば」と考えてしまうかもしれません。
でも、本番直前に過去の勉強時間を取り戻すことはできません。
最後にできるのは、これまで勉強してきた内容を整理し、当日に持っている力を出せる状態にすることです。
仕事もある。
体調もある。
予定通りに進まなかった時期もあったかもしれません。
それでも9月から積み上げてきたものがあります。
試験直前まで自分を追い込むことより、試験当日に自分の力を出せる状態で会場へ向かう。
最後の1か月は、そのための時間でもあります。
12か月を一覧にすると
| 時期 | 学習のテーマ | 働く社会人が意識したいこと |
|---|---|---|
| 9〜10月 | 学習習慣をつくる | 仕事と両立できる時間・場所を探す |
| 11〜12月 | 基礎を積み上げる | 「分かった」を「解ける」に変え始める |
| 1〜2月 | 学習を切らさない | 繁忙期でも戻ってこられる状態を保つ |
| 3〜4月 | 問題演習を増やす | 少しずつ時間を意識して解く |
| 5〜6月 | 弱点を発見・修正する | 模試や演習の間違いを材料にする |
| 7月 | 本試験対応力を固める | 教材を広げすぎず、使える知識を増やす |
| 8月 | 本番へ整える | 復習・睡眠・体調管理を優先する |
こうして見ると、税理士試験までの1年は、ずっと同じ勉強をする12か月ではありません。
最初は生活を整える。
次に基礎を積み上げる。
春から問題を解く力を高め、夏に本試験へ合わせていく。
仕事をしながら勉強するなら、最初から8月のような緊張感で走り続ける必要はありません。
1年間走り切れるペースをつくることも、試験勉強の一部です。
仕事のためだけではなく、自分の未来のために使う時間を持つ
仕事をしながら資格を目指す生活は、簡単ではありません。
仕事が忙しくなれば、勉強できない週もある。
模試の結果が思うようにいかないこともある。
「本当に税理士になれるのかな」と思う日もあるかもしれません。
それでも、仕事を終えたあとに机に向かう時間は、会社のためでも、誰かに言われたからでもありません。
自分自身の未来のために使っている時間です。
30分しかできない日があってもいい。
疲れている日は休んでもいい。
そして、集中できる日はしっかり電卓を叩いて、問題を解く。
BE-CONは、そんな時間を過ごすための場所でもあります。
阪急六甲駅から徒歩1分。
仕事帰りに、休日に、そして試験までの長い勉強期間に。
神戸で働きながら税理士を目指している方は、自分の生活の中に「勉強する場所」を持つことも、一度考えてみてください。

